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旭川地方裁判所 昭和52年(わ)30号 判決 1977年3月23日

本店の所在地

旭川市大町二条一九丁目

法人の名称

株式会社半沢ガラス加工所

代表者の住居

同市同町二条一九丁目

代表者の氏名

半澤馨

本籍

同市同町二条一五丁目五七七番地の六

住居

同市同町二条一九丁目

会社役員

半沢馨こと

半澤馨

昭和一一年六月一五日生

右被告会社および被告人に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官桜井正史出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役八月に、被告会社を罰金一〇〇〇万円に処する。

被告人半澤馨に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社半沢ガラス加工所(代表者半澤馨)は旭川市大町二条一九丁目に本店を置き、ガラス、サツシユ加工販売及び建築ガラス施行を営業目的とする株式会社であり、被告人半澤馨は被告会社の代表取締役であるが、被告人半澤馨において被告会社の業務に関し、被告会社の法人税を免れようと企て、売上げの一部を除外し、架空経費を計上するなどしてこれらを簿外預金や有価証券などとする不正の手段により所得を秘匿し、所轄旭川中税務署長に対し

第一  昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の所得金額が二一二三万九二〇五円で、これに対する法人税額は七四七万〇一〇〇円であつたのに、同四九年二月二八日、同市五条通一一丁目右一号所在の同税務署において、総所得金額が五三九万九六七三円で、これに対する法人税額は一六六万〇八〇〇円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右の法人税の差額五八〇万九三〇〇円を免れ、

第二  昭和四九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の所得金額が四一六六万六六六四円で、これに対する法人税額は一五八二万一六〇〇円であつたのに、同年五〇年二月二八日前記税務署において、総所得金額が一二七八万九九五四円で、これに対する法人税額は四二九万〇三〇〇円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右の法人税の差額一一五三万一三〇〇円を免れ、

第三  昭和五〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度の所得金額が六二八五万五四六二円で、これに対する法人税額は二四二五万七三〇〇円であつたのに、同五一年三月一日前記税務署において、総所得金額が九〇二万三五八〇円で、これに対する法人税額は二七二万四五〇〇円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右の法人税の差額二一五三万二八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、被告人の検察官に対する各供述調書

一、半澤友子(七通)、半澤昇(二通)、大場和夫、吉崎利彦の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、半澤友子、吉崎利彦の検察官に対する各供述調書

一、大蔵事務官の各調査事績報告書

一、検察事務官の各捜査報告書

一、大蔵事務官の調査書

一、各答申書及び上申書

一、各証明書

一、各(照会)回答書

一、「取引内容について」と題する各書面

一、「貯金取引内容について(回答)」と題する書面

一、各脱税額計算書

一、各電話口頭処理表及び電話聴取書

一、各電信照会及び回答書(検甲47・48、52・53)

一、押収してある法人税決議書綴一綴(昭和五二年押第二二号の1)、総勘定元帳二綴(同押号の2、3)、決算関係書類綴一綴(同押号の4)、無標題(売掛帳綴)一綴(同押号の5)

(法令の適用)

判示第一ないし第三の各行為 被告人半澤につき法人税法一五九条(懲役刑選択)

被告会社につき同法一五九条、一六四条一項

併合罪加重 被告人半澤につき刑法四五条前段、四七条本文但書、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重)

被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

刑の執行猶予 刑法二五条一項(被告人半澤)

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 久米喜三郎)

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